ごあいさつ
学校法人 智辯学園
理事長 藤田清司
『あたりまえのことを、あたりまえに』
二上山の麓に学舎を定めて早二十年、奈良カレッジ教育の基礎も定まり、いよいよその真価が問われる時を迎えました。
この間、グローバリゼーションの流れの中、日本社会は刻々と変化し、子どもたちを取り巻く環境や子どもたちの気質も大きく変わりました。私自身、これからの社会のあり方が気にかかるのはもちろん、活力と節度ある社会の基盤をつくる教育の責務の大きさを自覚し、渾身の力を振るって、気鋭の若者を今後も世に送り出す決意であります。
智辯学園は、開校以来“愛のある教育”という教育の原点を見つめ、“誠実・明朗”-「真心のある明るく元気な子」-に育って欲しいとする親の願いを叶える教育を進めてきました。この建学の精神のもと「それぞれの子どもが持つ能力の最大開発」と、「宗教的情操に基づく心の涵養」という二つの重点目標を掲げ、勉学・スポーツ・芸術活動を通して、「感謝」の心と、「相互礼拝・相互扶助」の精神を養い、社会に貢献できる人間を育成してきました。
とりわけ、日常の生活では、挨拶・言葉・礼儀・服装など、今まで社会人としてごく普通に持っていた規範意識を、今もあたりまえのこととして身につけられるよう求めてきました。社会がどのように変わろうとも、変わってはならない「不易」のものこそが、秩序ある社会の土台だと考えるからです。
いかなるときも、「ぶれない」「揺れない」、これが智辯教育の真価であり、自信と誇りの源だと自負しています。また、やり抜くための「厳しさ」も学園教育の特質の一つです。これからの時代に生き、自己実現を図るには、厳しさをもたねばなりません。その厳しい日常を支えるのが、努力を惜しまない教員と保護者・生徒のつくり出す三位一体の関係です。克己の心で精励する個人と、感謝と扶助の心で支え合う全体、この二つが縦糸・横糸に絡み合い、一体となって織りなす教育でありたいと願っています。
学校は勉強するところであり、人間の土台を育てるところであると考えています。「あたりまえのことを、あたりまえに」続けながら、生徒に寄り添う教育を通して、未来を切り開く高い叡智と、豊かな人間性を備えた人材を育成し、更なる飛躍を目指します。
本校の教育
教育の目標
生徒を実の子どものように思いやり、愛情を持って接する、“愛のある教育”が教育の原点であると考えます。この原点に常に立ち返り、生徒一人ひとりを献身的に支え、“誠実・明朗”で心豊かな人物をはぐくむことが本学園の使命です。二十年前、奈良県香芝市に教育の場を開いて以来、こうした強い想いは変わることなく、具体的な成果をあげています。確かな実績をもとに、今後も教育に取り組み、生徒全員のさらなる能力向上を叶えたいと願っています。
智辯学園が目標とする「人」は
1. 明朗で知性溢れる人
2. 不屈の精神と使命感を持つ人
3. 自己を確立しつつも社会性豊かな人
4. この世に生をうけた幸福を知る人
学力の徹底的な錬成
60分授業と年間約240日の授業日数という十分な時間を確保し、有効かつ柔軟に授業を進めます。特に国語・数学・英語の基礎力養成に重点を置き、高校段階の応用力を必要とする学習に備えます。また、理科・社会でも余裕のある時間数を最大限に活用し、基礎・基本を徹底し、選択教科としての理科・社会に適応できる力を養います。さらに習熟度別のクラス分けを活用し、よりわかる授業を目指します。夏期特別講座や合宿などを利用して、きめ細かに指導します。また、高校段階では問題演習を重視し、生徒が望む大学進学の実現を目指します。
情感をはぐくむ教育
月に1度「感謝祭」があります。四恩(父母の恩、衆生の恩、天地の恩、三宝の恩)に感謝を捧げ、今後の努力と精進を誓います。そして、週に1度「宗教」の授業があります。この授業を通して、人や自然に対する優しさを学び、感謝と奉仕の精神を育みます。高校段階では倫理観や人生観に関わる学習へと発展します。また、毎朝「御真言・御宝号」をお唱えし、決意新たに1日の活動を始めます。あらゆる機会を通じて、「情感をはぐくむ教育」を行い、感謝と奉仕のできる人間に成長できるように努めます。
国際人を育てる教育
三位一体の教育
生徒と保護者そして教員の信頼と協力があってこそ、理想の教育が開花します。入学・進路選択・進路決定の時期や学期末毎に面談を行い、三者がより互いを理解するように努め、生徒の将来について真剣に話し合います。また、教員が学校で生徒におこった出来事を保護者に伝えることの大切さも重視しています。保護者と学校(教員)が共通の認識を持って生徒に対峙することがより良い結果を生み出します。
体験型学習の重視
※中・高6年一貫コース
一日の学校生活
コース紹介
本学園には中高6年一貫コースと、高等部3年制があります。中高6年一貫コースへは内部進学(カレッジ小学部卒業)児童と他の小学校を卒業した児童が入学し、中学1年次から混合クラスとなります。そのクラスはS選抜クラスと総合選抜クラスに分かれ、到達度別クラスとなっています。また、高等部3年制には文理選抜コースと特進選抜コースがあり、両方とも他の中学校を卒業した生徒が入学します。6年間または3年間、互いに刺激を与えながら望みうる最高の大学を目指して学びます。
沿革・校歌
沿革
平成16年4月 | 智辯学園奈良カレッジ小学部・中学部開校 |
4月 | 中学部および小学部第1回入学式 |
平成19年4月 | 中学部1期生が高等部へ進学 |
平成20年4月 | 緑栄橋および第2グラウンド供用開始 |
平成21年1月 | 高校棟供用開始 |
平成22年3月 | 中学部1期生が卒業 |
4月 | 小学部1期生が中学部へ進学 |
4月 | 第2体育館供用開始 |
平成25年4月 | 小学部1期生が高等部へ進学 |
12月 | 講堂棟竣工 |
平成26年6月 | 創立10周年記念式典挙行 |
平成28年3月 | 小学部1期生が卒業 |
令和6年4月 | 図書館棟完成 |
校歌
年間行事予定
さまざまな学校行事で人間性を磨く。
6年間あるいは3年間を過ごす学園生活は、さまざまな行事に彩られています。体育大会、文化祭、野外研修、国際交流などを通じて、豊かなコミュニケーション能力や多くの友情を築き、健全な人間性をはぐくみます。何事にも思い切りチャレンジしてください。
4月 | 入学式・対面式 オリエンテーション合宿(中1) 錬成会(高1) |
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5月 | 母校訪問(中1・高1) 球技大会(中・高) 歌舞伎鑑賞教室(中1) 育友会総会 中間考査 |
6月 | 文楽鑑賞教室(中2) 期末考査 |
7月 | 林間・臨海学校(中1・2) 韓国研修プログラム(高・希望者) |
8月 | 夏期講習 三者面談 東大見学(中3希望者) |
9月 | 校内合唱コンクール(中) 文化発表会 能楽鑑賞会(高1) 進学講演会(高2) |
10月 | 中間考査 清掃奉仕活動 陸上競技大会 研修旅行(中3) 京都散策(高1) 修学旅行(高2) |
11月 | 教養講座(中1・2) 音楽鑑賞会 期末考査 |
12月 | 清掃奉仕活動 教育講演会 三者面談 |
1月 | 中学部入試 |
2月 | 高等部入試 高等部卒業式 学年末考査 |
3月 | ウォーキング 高野山合宿(中1) 三者面談 中学部卒業式 アメリカ短期留学(高1希望者) |
施設紹介
万葉集にも詠われた二上山の北麓に位置し、金剛生駒紀泉国定公園の深い緑に包まれた静かな環境に立地しています。また約10万㎡にも及ぶ広大な敷地には、「サヌカイト」を原料に大量の石器が作られた「サカイ遺跡」「平地山遺跡」があり、自然と文化に恵まれた環境は理想的な学びの場となっています。
2024年には創立20周年を記念する図書館が完成しました。新しいカレッジの学びの場をご期待ください。
円形校舎
直径90mの円形校舎。その内側は憩いの広場と呼ばれる天然芝を敷き詰めた校庭となっている。
お弁当を食べたり、ボール遊びをすることができる。
講堂
約1200名を収容できる徳の殿堂。厳かな雰囲気の中、全校生徒がそろって行事に参加する。
上村淳之氏が描いた緞帳が目を引く。
グラウンド
2つのグラウンドがあり多彩な活動を支える。3面のテニスコートも併設。
一方、体育館も2つあり、雨天時の体育活動を支える。
図書館
2024年に完成。豊富な蔵書に加え、Presentation Areaや多目的スペースであるEncounter Squareを備える。また、各机に電源を備えた静かな自習スペースや多くの閲覧用机が設けられている。
飛翔閣
上には天女が飛び、正面には陶板に般若心経が描かれている。生徒たちは毎朝それに向かってお唱えをし、前を通る時には合掌をする。
奈良カレッジのシンボル的なホール。
大講義室
160名を収容できる大教室。様々なメディアを使うことができる機器がそろい、1学年全員が入って授業や講演を聞くことができる。